広告代理店のアートディレクターの仕事内容は?キツイ辛い仕事?

今日は広告代理店のアートディレクターという職種について紹介します。

Art Director、略してADと呼ばれています。

呼び方は一緒ですがテレビ業界のADとは違いますよ〜。

広告代理店のクリエイティブ(制作)スタッフ

広告代理店のクリエイティブは大まかにいうと下記のようなスタッフで成り立っています。
広告代理店,制作,クリエイティブ

制作物全体の設計を考え、全てのアウトプットに目を行き届かせ、そのクオリティに責任を持つのがCDとよばれるクリエイティブ・ディレクター。

そのクリエイティブ・ディレクターの下で、実務に近いことをこなしていくのがAD、アートディレクターです。

企画開発をしつつ、制作会社にアートディレクションをしながら、実際のアウトプットを作り上げていくメインの役割を担うのがこのアートディレクターです。

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アートディレクターの仕事内容

ではアートディレクターの仕事内容を詳しくみていきましょう。

わかりやすくするために下記の設定を前提に説明しますね。

クライアント:とある飲料メーカー
商品:新しい清涼飲料水
ターゲット:20・30代女性
タッチポイント:テレビ・交通広告・WEB
新商品の特徴:砂糖不使用・カロリー控えめ・天然果汁

プロジェクトにアサインされると、まずクライアントからのブリーフィング内容をシェアされます。

それをもとにプランナーが基本的な戦略を考えていきます。たとえば10代の男女が清涼飲料水に求めることはこういうこと、満たされていないニーズはこういうこと、新製品の特徴はこういうこと、だからこういうポイントを訴求してきましょう、といったことですね。

CDやCWと一緒にビッグアイディアを考える

 

このようなプランニングをもとにクリエイティブスタッフは「ビッグアイディア」と呼ばれる、全てのアウトプットに共通するコンセプトといったらわかりやすいでしょうか。

例えば今回で言えばプランニング段階のコンセプトが、甘いもの飲みたいけど、罪悪感を感じてしまうという女性心理をついて、砂糖もカロリーもカットした天然由来のこの商品なら飲めるという『罪悪感ゼロドリンク』だったとします。しかも第3者から言われると心を動かされやすいという特徴があったとしておきますね。

それをもとに、全てのクリエイティブの大前提となるビッグアイディアを考えていきます。

AD
この作業はアートディレクターだけではなく、CD、CW、時には営業やプランナーも巻き込んでアイディアを出し合う、すごい大切な作業だよ

で、実際に何をするかというと、100本ノックです(笑)

コンセプトに合っていて、なおかつキャッチーで、人の心を動かす言葉を考えていくのですが、まずはAD同士やCWなんかとアイディア出しをして、それをCDにぶつけて却下されて考え直し、さらにCDのOKをもらったものを営業やプランナーとシェアして、指摘されたらまたブラッシュアップ…といった具合です。

キービジュアルの開発

無事にビッグアイディアが決まったら、それに沿ったキービジュアルを開発していきます。

この時に並行してコピーライターはキーコピーを開発(これも100本ノック)しているので、連携してそのコピーが際立つビジュアルを考えていくんですね。

例えば今回のビッグアイディアが「飲んでもいいんだよ」だったとして、コピーライターが「飲んじゃいなよ」というキーコピーを考えたとします。(すみません、才能なくて(笑))

アートディレクターはそれらをもとに、この製品の魅力が一番伝わるビジュアルを考えていきます。

これはADによりますが大抵は、手書きのラフでCDに100本ノックした後、OKをもらった数案を実際にグラフィックにおとしていきます。

制作会社へのディレクション

で、実際にグラフィックを作っていく段階になると制作会社さんへ仕事を振ります。

どの制作会社の、どのスタッフさんとお仕事をしたいか、CDが独断で決めることもありますが、制作会社さんと一番接触時間が多くなるのはADなので、ADの意見が尊重されることが多いですね。

制作会社のスタッフさんにも、同じように今回の新商品の特徴や戦略を全てシェアし(ここは営業が説明することが多い)、キービジュアルのブリーフィングをします。

ADが考えたキービジュアルをそのままグラフィックにしてもらう場合もありますし、制作会社にもキービジュアルのアイディアを出してもらう場合もあります。

こうやって制作会社のデザイナーさんにあげてもらったビジュアルを取捨選択し、さらには「もっとこうしてほしい」というリクエストを投げて、満足がいく完成度になるまでブラッシュアップしていきます。

これがアートディレクターと呼ばれる所以ですね。

AD
よく勘違いされるのが、広告代理店の制作スタッフが実制作まで全て自分たちで手を動かして行っていると思われることが多いのですが、実際にメイン業務としているのは「ディレクション」なんですよ

クリエイティブプレゼンもする

そしてキービジュアルが出来上がったら、クライアントの承認を取らなくてはいけないのですが、クリエイティブのプレゼンはクリエイティブがします。営業はしません。

もちろんCDが代表してプレゼンすることはありますが、基本的には具体的な絵の説明などは実際に担当しているADが説明することがほとんどです。

ここで求められるのは、クリエイティブならではの右脳的思考だけではなく、どうしてこれがターゲットの心に響くのか、どうインサイトを突いているのか、これを見てどのようなマインドになるのか、といったロジカルな説明です。

しめじ
営業やプランナーも一緒になって理論武装の手伝いをするので心配ナシ

制作現場でのディレクション

キービジュアルが決定し、今回のタッチポイントであるCM、交通広告、WEBそれぞれへの展開案(これもADが主導となって制作会社へディレクションして制作します)が決定すると実制作の段階に入ります。

その際に現場で具体的な指示を出すのもADの仕事です。

例えば撮影前のオーディションでどのようなモデルを集めてほしいか、どんな分野が得意なカメラマンに撮影してほしいか、製品をどう見せたいかなどなど。

そして撮影現場ではすべてADのチェックが入ります。ADが迷う時はCDの判断を仰ぎます。

撮影したビジュアルをもとに最終のレイアウトに落とし、クライアントプレゼン、印刷に回った後も印刷の色味をチェックするための色校はADが責任を持って行います。

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アートディレクターの仕事はキツイ・辛い仕事?

広告代理店のアートディレクターの労働時間はとっても長い、と断言出来るのではないでしょうか。。

広告代理店にはさまざまな職種のスタッフがいますが、営業と並んで、いや、それ以上によく働いているのがADだと思います。

その理由がは、ADのメイン業務が「ディレクション」だから。

制作会社さんは大抵午後から稼働します。

上がってきたカンプを見て、それに修正指示を出し、修正が上がってくるのを待つ。自分が指示したものなので、上がってきたら速攻で確認して、さらに修正があれば指示、さらに待つ、そしてまた確認…

この繰り返しで、気づけば朝、ということもザラの世界です。

AD
ちなみにプレゼン前は9割がた徹夜だよ

自分でやった方が早いんだよね〜なんて言うADさんもいますが、制作会社さんにお仕事をお願いしている以上、それをやってしまったらアウトなんですね^^;

とは言え、自分が考え、ディレクションしたクリエイティブが世の中に出ることはクリエイターにとっては最高のモチベーション。それ以外にも、著名なカメラマンやスタイリストなど刺激的なメンバーと仕事をする機会があったり、自分のアイディアがうまく通れば憧れの有名人を起用することもできたり(笑)

才能があればカンヌなど世界的な広告祭にノミネートされることもあり、そうともなれば一生自慢できるステータスがてにはいります。

そんなこんなで、ハードだけど醍醐味も大きいのが広告代理店のアートディレクターというお仕事ではないでしょうか。

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